みなさんのお家の猫ちゃんは首輪をつけていますか?
猫は犬と違ってしつけをするわけでもなければ、散歩で屋外に出ることもあまりないと思いますので首輪が必要かどうか考えてしまいますよね。
猫と長く暮らして考えた結論は、
マイクロチップ未装着であれば万が一迷子になった時の為の身元確認のために猫に首輪はつけた方が良い、ということです。
病院やペットホテル、災害で避難する際など飼い猫でも屋外に出なければならないときはあります。
普段首輪を付けていなくても、外に出かけなければいけない時は身元確認のためにも飼い主の連絡先を記入した首輪を付けた方がよいと考えます。
私は2018年の西日本豪雨で猫と一緒に避難をしなければならなかった時にあらためてそう実感しました。
首輪をつけることのメリットとデメリット、そして首輪をつけるのであればどういう事に気を付けた方が良いかを、20年猫と生活してきた経験をもとにお伝えしたいと思います。
なぜ猫に首輪が必要か?
猫の立場になって考えてみると、首輪なんて付けたくありませんよね。何もつけずに楽な姿でいるのが自然なことだと思います。
しかし、飼い猫の場合は首輪をつけておいた方が良いです。理由は以下の2点です。
- 万が一、迷子になった時の身元確認のため。
- 鈴をつけて猫がどこにいるか、わかりやすくするため。
万が一、迷子になった時の身元確認のため
猫に首輪をする一番の理由は、迷子になった時の身元確認です。脱走して誰かに保護されたときに、飼い猫であることが瞬時にわかります。ネームタグに連絡先を書いていれば飼い主さんに連絡が来て猫が帰ってくる可能性が高くなります。
玄関や窓を開けっぱなしにして猫が脱走してしまうという不注意によって迷子になるケースもありますが、やはり心配なのは災害などで避難する際にはぐれてしまうケースです。
実際に大きな災害の時は動物愛護センターに保護される犬、猫が増えます。
私自身、2018年の西日本豪雨の以降、梅雨の時期は毎年のように猫と一緒に避難所で過していますが、もし目を離したすきに迷子になってしまったらと心配になります。普段家の中にいると感じませんが、外に猫を連れ出した時に脱走の恐怖を感じます。
もちろん避難所で過ごす事になったら、ハーネスや携行できる折り畳みのケージをなどは用意します。
しかしペットと一緒に避難をしてみて、万が一はぐれてしまった時の最後の望みが首輪と首輪に記入している連絡先になるのだということを強く実感しました。
特にマイクロチップを装着していない猫に首輪は必須と言えます。
マイクロチップ装着も今は病院で簡単にできますが、首輪の方がお手軽です。身元が分からないまま保護されて、飼い主が見つからずに処分されるという悲しい猫たちを増やさない為にも身元が分かるようにしておかなければなりません。
猫がどこにいるか、わかりやすくするため
首輪に鈴などを付けることにより家の中で猫の居場所を把握できるようになります。
猫は足音がしないので鈴が無いと家の中を探すのに結構苦労したりしますよね。カーテンの裏、押し入れの中、家具の隙間など探すのに結構手間取ることも多いと思います。
首輪に鈴をつけていると、動いた際には音がするのでどこに隠れているかを突き止めやすいです。
また、足元にいることに気付かずに、うっかり猫を踏んでしまうという事故もなくなります。
猫に首輪をするデメリット
飼い主側の立場からみると、首輪をつけるメリットがありますが、猫にとってみればデメリットしかありません。
首輪をすることのデメリットは以下の通りです。
- 首輪の存在がストレスになる可能性がある。
- 首周りに負担がかかって毛が抜ける可能性がある。
- ひっかかってしまい事故になる可能性がある。
首輪の存在がストレスになる可能性がある
猫の立場に立って考えると首輪はじゃま物ですよね。猫によっては首輪をすることが嫌で首輪を気にして噛んでしまう子もいます。
派手な装飾のあるデザインだと体を舐めてきれいにするときや毛づくろいをする時にじゃまでストレスになってしまう可能性もあります。
また、鈴の音が気になる猫の場合は動くたびに音が鳴ることにストレスを感じてしまう子もいると思います。
猫によっては全然気にしない子もいるので、首輪をつけた時の様子をよく観察してあげてください。
気にするようなそぶりが続くようであればシンプルなデザインの首輪に変更するなどの対策や、場合によっては首輪を外すことも考えなければいけないと思います。
首周りに負担がかかって毛が抜ける可能性がある。
首輪の素材が硬めの革の場合や、バックルやアジャスターの形状によっては首輪がすれる摩擦によって毛が抜けたりすることがあります。
首輪の構造やサイズや調節にもよると思いますが、経験上、硬めの素材の首輪をするときは注意が必要です。毛の長い猫の場合は幅が1cm程度の細い首輪を選んであげると負担が少ないです。
また、首輪を清潔には洗ったり、交換したりして清潔に保っておかなければ雑菌が繁殖して皮膚に不具合が出る可能性もありますので注意しましょう。
ひっかかってしまい事故になる可能性がある。
首輪を付けていると猫がジャンプした時、狭いところを走り抜けるときなど、何かにひっかかってしまい事故になる可能性があります。お留守番させるときなどは特に気を付けておかなければいけません。
対策として強い力がかかると外れるバックルを使った首輪や、首輪全体がゴムのように伸縮性があって引っかかっても伸びてスポッと外れやすい首輪を選ぶことで安全性を確保できます。
下の写真は私がハンドメイドで作った首輪ですが、このバックルは一定の力が加わった時に外れる構造になっています。万が一、首輪が引っ掛かった時も安心です。
首輪を嫌がる猫へのストレス軽減対策
首輪をつける事を嫌がる、またはすごく気にする猫の場合はどうすればよいか考えます。
首輪への抵抗をなくす一番の方法は子猫の時から首輪を付けて慣れてもらうことだと思います。これが猫に首輪をしてもらうのに一番無理のない方法です。成猫になってから首輪に慣れてもらうより楽ですね。
しかし、すでに成猫で首輪を気にする子の場合は別に対策が必要です。
以前、私が保護猫センターから譲っていただいた猫で首輪をすごく気にする子がいました。その時に試してみて効果のあった方法をご紹介します。
- シンプルで装飾の少ない首輪にする。
- 首輪を猫に合ったサイズに調整する。
- 鈴を付けない。
- 猫へのストレスの少ない素材、構造の首輪を選ぶ。
- 猫にやさしい首輪をハンドメイドしてみる。
シンプルで装飾のない首輪にする
成猫になってから首輪に慣らす場合はリボンなどがついていないシンプルなデザインのものを選ぶとすんなり付けてくれる可能性が高いです。
リボンなどの装飾は大きさにもよりますが、横に寝そべる時など邪魔に感じる猫もいますね。
首輪を猫に合ったサイズに調整する
猫は首輪のサイズが合っていないと違和感を感じて嫌がります。
猫の首輪は指が2本くらい間に入るくらいの余裕を持つのがよいです。アジャスターが付いている場合はちょうどよいサイズに調整することで猫のストレスを軽減につながります。
アジャスターが付いていない首輪を選ぶ場合は猫の首周りのヌードサイズ(余裕を持たせずに測ったサイズ)を必ず確認して首輪を選んでください。
既製品の首輪のサイズだとヌードサイズ+4cm~6cmの間くらいを選びましょう。
首輪をつけた時に余裕が無さすぎると動くときに首がしまってしまい違和感で猫は嫌がります。逆に首がしまるのが気になって、サイズが緩すぎると動いている時に何かにひっかかったり、毛をなめるときに歯にひっかかったりします。首輪の余裕をしっかり確認し、ちょうど良いサイズに調整してあげましょう。
鈴をつけない
猫は耳が良いので動くたびに鈴が鳴るとストレスに感じてしまう場合があります。
鈴は飼い主の立場から見ると猫の居場所が分かるので便利ですが、猫にとってみればうるさくて迷惑な代物なのかもしれませんね。
鈴が付いていることに全く気にする様子を見せない猫もいますが、鈴をかんだり触ったりしきりに気にするようでしたら鈴の付いていない首輪を選ぶか、首輪をはずしてしまう事も考えなければいけないと思います。
猫へのストレスが少ない素材、構造の首輪を選ぶ
長く猫と生活する中でいろいろな首輪をしてきましたが、猫の様子、動きを見て以下のような首輪だとストレスが少ないなと感じます。
- 表面が柔らかくて軽い生地を使った首輪
- シュシュなどの首に接する面が少ない首輪
- 毛糸で編んだ首輪
この中で一番猫に負担が少ないと感じたのは細めの毛糸で編んで作った首輪です。非常に柔らかく、猫の負担になりにくいです。
毛糸で編んだ首輪はなかなか売っていないので、首輪のベースが柔らかいく軽い、生地で作ってあるものを選ぶとよいです。またシュシュなどのシワがあるものは首と直接ふれる面積が小さいので負担も軽くおすすめですよ。
猫に優しい首輪をハンドメイドしてみる
サイズや素材、またシンプルなデザインなど猫に合ったものがもしなければハンドメイドで猫にとって優しい首輪を自分で作ってしまうのもいいですね。
飼っている猫の特性に合わせた首輪をハンドメイドすれば猫のストレスも軽減することができます。
シンプルなデザインの首輪、毛糸で編んだ優しい肌触りの首輪、音が控えめの小さな鈴が付いた首輪など、既製品にはない、かゆいところに手が届くような作りであれば、猫も抵抗なく首輪をしてくれるとおもいます。100円均一など、安い材料で作ってみるのも楽しいですよ。
私はハンドメイドが趣味なので、どんな首輪が猫にストレスが無いかなーと考えながら作っています。その一例を紹介してみます。
これは100均の真田紐をを使った首輪です。
紐の幅が1.1mmと細く、素材もとてもやわらかいので、とても猫に優しい作りになっています。毛の長い猫にも最適の首輪です。作り方もとても簡単で20分くらいあればできます。
作り方はこちらの記事で紹介してますので興味のある方は参考にしてみてください。
こちらは綿100%の毛糸で編んだ首輪です。
とても柔らかく、自然素材を使っているのでこちらも猫にとってストレスの少ない首輪です。なかなか気に入った色と糸の風合いの既製品がなかったので自分で作ってみました。
このように既製品の首輪で「ここを改良したい」という部分があればいっそハンドメイドしてしまうのも楽しくてよいですね。
まとめ
飼い主側の立場では、首輪に名札や鈴を付けることで、迷子になってしまった時の発見につながったり、家の中で居場所が把握しやすかったりメリットがあります。
特に猫が迷子になって保護された場合、飼い猫かどうかの判断がつかなかったり、飼い主の連絡先が分からない場合は、家に戻ることのできる可能性は低くなります。
首輪やマイクロチップで身元が分かるようにしておくことは、最終的に猫の殺処分を減らすことにつながります。
飼い主の責任としてマイクロチップを付けていないのであれば、身元の確認手段として猫に首輪を付けることは必要です。
とはいえ、猫にとって首輪はストレスになりやすいです。猫が首輪を嫌がった場合は今回ご紹介したストレス対策を試してみてはいかがでしょうか?
今回の記事が参考になればうれしいです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。