子猫用と成猫用のフードではどのような違いがあるのでしょうか?
子猫に成猫用フードを与えてもいいのでしょうか?
またその逆はどうでしょう?
すでに成猫を飼っていて、新たに子猫をお迎えした場合など、すでにストックしてある成猫用のフードを与えてもよいものか悩まれた方もいらっしゃると思います。
結論は子猫と成猫では必要とされる栄養、カロリーの量が違う為、それぞれのステージに合った栄養基準のフードを与えなければいけません。
おさえておくべきポイントは以下の4点です。
- 子猫は急速に成長するため、成猫より多くのカロリーと栄養が必要。
- 成猫用より子猫用のフードの方が体を作るためのたんぱく質、カルシウムなどが豊富でカロリーも多い。
- 子猫に成猫用フードを与えると栄養が足りず、成長が遅れる可能性がある。
- 成猫に子猫用フードを与えると栄養が多すぎて肥満の原因となる。
子猫用と成猫用フード栄養価の違い、切り替えタイミングやその方法について説明していきます。
子猫用・成猫用フードでは栄養価が違う
子猫用と成猫用フードの主な違いは、含まれているたんぱく質の量とカロリーです。
子猫用フードには体や骨を作るために必要な、たんぱく質、脂肪分、カルシウムなどが、成猫用フードより多く含まれています。
一方で炭水化物は子猫用より成猫用フードの方が多く含んでいます。
子猫用、成猫用フードのカロリーを同じ量で比較すると、子猫用フードの方が高カロリーです。
子猫に成猫用のフードを与えるとどうなるの?
子猫と成猫で必要な栄養素に違いはありません。
違うのはそれぞれが必要としているカロリーや栄養素の量です。
子猫が成猫用のフードを食べた場合どうなるか説明します。
子猫は成猫より多くの栄養とカロリーが必要
子猫は1年で人間でいう18歳くらいまで急速に成長します。
【猫と人間の標準年齢換算表】
出典: 花王公式ホームページより引用
1歳は立派な大人だよ。
成長のスピードが早いということは、それに伴って相当量のエネルギーを使います。
その為、成長の早さに合わせて体や骨を作るためのたんぱく質、脂肪、カルシウムなどの栄養分を、
成猫よりたくさん摂取しなければいけません。
子猫用フードは子猫の成長に必要な栄養を考えて、
高タンパク高カロリーに作ってあります。
だから子猫には子猫用のフードが必要なんですね。
また、子猫は胃も小さく、一回の食事でたくさん食べられません。
少ない量で栄養を効率よく吸収するためにも、高タンパク高カロリーなフードが必要なんです。
子猫は成猫の約3倍の栄養とカロリーが必要なんだ。
成長に遅れが出る可能性がある
成猫用フードは子猫用フードより栄養の基準が低く、量当たりのカロリーも低くなっています。
子猫が成猫用フードをたまに食べる程度では心配の必要はありませんが、
メインのごはんとして毎日食べ続けると、骨や筋肉などに成長の遅れが出てくる可能性があります。
成猫に子猫用フードを与えると肥満につながる
成猫が子猫用のフードを食べた場合はどうでしょう。
子猫用のフードは栄養が豊富で、成猫にとって必要な栄養素が不足する事はないため、成猫が子猫用フードを食べても基本的には問題ありません。
しかし必要な量以上のカロリーを取ってしまうため肥満につながります。
成猫に子猫用フードはカロリーが高すぎる
1歳を超えると成長期から維持期に移行します。
体も出来上がるため、子猫の時ほど栄養とカロリーを必要としません。
1歳になったら動くための栄養さえあれば十分だよ。
そのため成猫に栄養価の高い子猫用フードを与え続けると必要以上のカロリーを取ってしまうことになります。
特に去勢や避妊手術を終えた成猫は運動によるカロリー消費量が減って肥満になりやすくなります。
子猫用から成猫用フードへの切り替えはどうする?
子猫は1歳までが成長期として急速に成長し、体の出来上がる1歳以降は維持期にはいります。基本的にはここがフード切り替えのタイミングです。
それまで食べていた子猫用の高カロリーフードから成猫用の低カロリーフードへ切り替えましょう。
成長を見て6か月から1歳の間で切り替え
基本的には子猫が成長期から維持期に入る1歳のタイミングで切り替えるのが良いです。
しかし成長の遅い猫など個体差もある為、切り替えのベストタイミングはそれぞれで違います。
早くて6か月~1歳の間でフードの切り替えを完了させましょう。
タイミングに迷ったら獣医さんに相談してみてくださいね。
また去勢、避妊手術直後は切り替えは行わず、
数日は様子を見て、体力が戻ってから切り替えてあげてください。
フードは急に切り替えない
フードの切り替えを行うときは体調を見ながら一週間くらいかけて徐々に切り替えでいきましょう。
具体的な切り替えの方法は
- 混ぜて出す
⇒ 子猫用のごはんに成猫用のごはんを混ぜて出す。徐々に成猫用を増やす。 - 別々に出す
⇒ 混ぜずに2つの皿に別々に出して、徐々に子猫用を減らし成猫用を増やす。
時間をかけずに100%新しいフードに切り替えてしまうと猫の体にも負担がかかり、体調不良を起こす可能性がありますので注意しましょう。
全年齢対象フードだと切り替えなくても大丈夫
子猫、成猫に必要な栄養基準を満たしているフードが全年齢対応(オールステージ)フードです。
離乳してから老猫になるまで切り替えをせずにずっと食べていけるフードで、どの年齢の猫でも栄養が不足しない基準で作ってあります。
警戒心が強かったり新しいものに抵抗のある猫には最適なフードといえますね。
まとめ
子猫用、成猫用フードは栄養価が違います。
それぞれで必要とされている栄養、カロリーをとるために、年齢に合ったフードを選びましょう。
全年齢対象のフードは子猫から老猫用まで対応できますが、老猫期にはカロリー過多になって肥満につながる可能性が出てきますので注意が必要です。
全年齢フードを選ぶのであれば、その中でもできるだけ低カロリーの物を選ぶほうが良いです。
子猫、成猫、老猫では必要な栄養やエネルギーの量が違うことをしっかり理解して、その年齢に合った食生活にしてあげましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。